【ご注意とお願い】
こちらはLARPについて、CLOSSの認識している範囲を掲載しています。2024年5月時の我々の認識に過ぎませんので、観測・認識しきれていない事柄は掲載されていない可能性がございます。あくまで日本における見解のひとつとして、ご参考程度に留めて頂けますこと、よろしくお願いいたします。
また、この内容は、予告なく変更する場合がございます。
体験して、没入して、参加する
海外で40年以上も前から生まれ、コアなファンを獲得、流行し、未だポピュラーな体験型コンテンツとして認識され続けている、それがLARP(Live Action Role Playing)です。
LARPは簡単に説明すると、
- 現代に近い世界観で、超能力などのサイキック能力を用いて、ヒーローのように立ち振る舞う。
- 西洋中世ファンタジーの世界観で魔法を詠唱し、火の玉を作り出し魔物の群れを薙ぎ払う。
- ホラー映画のような世界観で、怪奇現象に見舞われ、時に発狂するような目にあいながら命拾いをする。
- ゾンビの大群に武器で立ち向かい、食料や安全領域の確保などを繰り返す中での生活を楽しむ。
- ポスト・アポカリプス(終末世界)で、思う存分荒野の世界を駆け回りヒャッハーする。
- 魔法の道具を売り買いする市場の中で、キャラクターを装い、売買する時間を楽しむ。
- キャンプ用具などを用いて、その世界の住人のように生活し、料理を振る舞う。
このようなことを実際に行い、ゲームとして、または生涯学習性のある催しとして、またはロールプレイングワークショップとして、様々な目的を目指していく──日本でも少しずつ、広まりつつある取り組みです。プレイテッド(擬似的なシチュエーションで沿うように振る舞うこと)、またはロールプレイ(キャラクターとして振る舞うこと)を体験の中心とします。
大勢で展開されることもあれば、少人数で展開することもできますし、究極、一人で行うことも可能です。
CLOSSでは、このようなLARPにおいて、日本で行う上で以下の3つをポイントとして活用しています。
1.体験して、知る
日常からちょっと離れた、またはもっと離れた非日常には、想像だけでは分かり得なかった新発見がたくさん潜んでいます。主催者から示された特殊な状況に自分の体を置いてみて、実際に動いてみることで、暗闇には何が見えるのか? 扉の先から聞こえる音は何だろう? 推測して、発想して、考える。体験から得られるものは、いつでも新鮮です。
2.没入して、わかる
その世界に潜るように没入する(装う)ことで、新たな世界で動くことの楽しさを得られるだけではなく、成功体験をそのまま持ち帰ることができます。そして、失敗した体験はそっと装っていたキャラクターが引き取ってくれる…それこそが、LARPの醍醐味です。
3.参加して、選択する
映画や漫画のような非日常的な物語世界に「そのまま入り込み、自分が物語に影響を与え、選択し続ける」──LARPはそれらを可能にします。決して物語の主人公になれるとは限りませんが、あなたの存在そのものが、すでに世界に影響を与え、物語の歯車を動かしていくのです。
CLOSSが提唱する4つの定義
あくまで我々CLOSSにおける定義ではありますが、以下の文章は参考の一つとなるでしょう。(なお、「参加者」と記載がありますが「主催者」も参加者の中に文意として含まれます)
※「この定義に該当しない事柄はLARPではない」と主張する意図は上記の記事には一切無く、あくまで「LARP安全憲章とそこに基づくLARPの定義」についてを定めたものです。
※LARP安全憲章にも表明している通り、「LARP」という言葉の使用はご自由にお使い下さい。こちらの定義はあくまでCLOSSが定義しているものに過ぎず、『こちらの定義に入らないなら「LARP」という言葉を使用できない』という意図では一切ございません。
CLOSSのLARP安全憲章の「LARP(Live Action Role Playing)」の定義は以下のものであると定めます。
3つの役割
CLOSSで行うLARPの多くは、GM(ゲーム・マスター)、PC(プレイヤー・キャラクター)、NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)という三役を通して、展開されます。
※必ずしも三役とは限りません。また、ルールによって呼称や役割が異なる場合もあります。
◆GM(ゲームマスター)
ゲームの司会進行とキャラクターが行為したことへの判定などを担います。ただし中規模・大規模なLARPの場合はその限りではありません。多くの場合は簡素化されていきます。
- シナリオの内容を把握している
- PCやNPCに知覚されない
LARPの進行上、必要と判断された際に必要とされる存在です。
◆PC(プレイヤー・キャラクター)
物語を進行させる登場人物です。
- シナリオの内容を把握していない
- PCやNPCに知覚される
キャラクターを自分たちで作ってくるか、運営スタッフから提示されたキャラクターを装い、行動します。物語に大きく影響を与えることができ、最も自由な振る舞いができますが、行動の責任はキャラクターとして背負う必要があるでしょう。
◆NPC(ノン・プレイヤー・キャラクター)
PCでは無い(Non)キャラクターのことです。ここで大切なのは、NonがかかっているのはあくまでPCでは「ない」ことであり、キャラクターではない、存在しないという意味ではありません。
NPCはいわば、そのLARPの世界の仕組みを作り出す仕掛け人であり、その人たちがいなければLARPは成立しないと言っても過言ではありません。
- シナリオの内容を把握している
- PCやNPCに知覚される
GMやシナリオからある程度の行動方針が与えられているので、比較的ロールプレイしやすいでしょう。
ただし、例外があります。NPCという役割があるキャラクターの他に、PCが擬似的にNPCを兼任することで場が回る仕組みの、NPCが実質存在しなくても問題ないとされるLARPも開催されています。
様々なLARP
2024年5月時点で、様々なLARPが日本で誕生しています。
こちらに、ジャンルについて記載しましたので画像をタップしてご覧ください。(大事な部分は全て無料で読めます)
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その他の分類
物理的判定の戦闘ルール
安全なLARP武器で身体に接触させ、攻撃の当たり判定を決定します。安全に戦うための武器、防具や戦い方に関するルールが存在し、参加者はそれらを守りながら楽しみます。
論理的判定の戦闘ルール
武器などの接触を行わず、カードやトランプ、じゃんけん、サイコロなどで攻撃の成否を決定します。武器は接触させないようにすることが比較的多く、接触させたとしても安全を強く心がけるルールが多いでしょう。
LARP解説動画
YoutubeでLARP解説動画も上げています。動画の方が理解しやすい方は、こちらをご覧ください。
これからも広がる、LARP
2024年5月段階ではこれくらいの多様性が日本で生まれています。
ですが、未来はさらに、たくさんの遊び方や楽しみ方が生まれることでしょう!
楽しみですね。
文 : 雛咲望月