日本の真夏は暑いですよね……。
強すぎる湿気と強い日差しで、熱中症になりやすいため、7〜9月はLARPのオフシーズンとなる傾向が見られてきました。
ですが、このコロナ禍の中、開放感の有る「屋外」で魅力的なLARPイベントが開催されるとなったら、それは本当に嬉しいもの。参加したくなりますよね!
そこで、LARPerとしての視点から、日本の真夏に対応する服装や対策について綴ってみようと思います。
夏なら夏用のコーデを作ろう!
あなたの表現したいキャラクターは、もし西洋ファンタジー世界の装いであれば、
・マント
・ブーツ
・長ズボン
・長袖
・革鎧
・金属鎧
ではありませんか?
それでは、この発想は一度「頭から外しましょう」!
上記の格好は、西洋(ヨーロッパ)という言葉が示すように、気温が低く湿気の少ない欧州のイメージが想起される服装です。あちら(例えばドイツ)は真夏は25度でも、夜は10度付近まで冷えることもあります。白い息が出るのです(筆者実体験)。
でも、日本でそんなことはほとんどありませんね。なぜかといえば、高い湿気が原因です。湿気のおかげで熱気がこもりやすく、その熱気を「逃す」構造を作らないと熱中症で倒れます。
あなたの美学が許さない? よく分かります。LARPでは、その装いはあなたのロマンの塊を投影するものでもありますからね!
でも、一度考えてみてください。 どんなにその日が素敵な日でも、熱中症にかかったあとはほとんど動けなくなってしまうことを。そうなっては、イベントの最後まで楽しい気持ちで過ごすことができないかもしれません。
それは、本当にその日を「楽しく」過ごせることになるのでしょうか?
では、逆の発想をしましょう。
つまり「夏でも過ごしやすいコーデを作り上げれば良いのでは? 」ということです!
それでは、そんなコーデを考えてみましょう!
リアルに暑い国の服装をチェック!
ここでおすすめになってくるのは、暑い国の民族衣装です。
砂漠・南国(亜熱帯地域)服のススメ
こちらは湿気が少ない気候であるため、日差し対策で肌を覆うくらいの服装になるものもありますが、そちらではなく通気性の良い服装をチェックしましょう。
例えば、
・袖なし/タートルネック or 襟なし薄手(麻)シャツ
・頭や腰、胴体斜めに薄めの布を巻く
・腕に軽く布を巻くor 腕輪
・麻など通気性の良いサルエルパンツ
・黒マスク、マスクの上にアラビアンな布でカバー
こういったコーデならば、ファンタジーの世界でも違和感なくキャラクターを作り上げられます。比較的、アラビアンな世界に近いですね。
または、和風が世界観的にOKならば、夏用の麻着物もかなり有効です。通気性がきちんと確保できるように、熱気のこもらない着用(上から下へ、横から横へと空気が流れる道を確保すること)を考えましょう。
もしこういった服が無くても、とにかく「厚手ではなく薄めの生地」「風が入ったら必ずどこかから逃がせる」を意識するだけで、過ごしやすさがだいぶん変わります。
生地は麻が一番オススメです。ただ、敏感肌の方には辛いかもしれません。その場合は、麻が入る綿生地でも良いでしょう。
手袋をつけたい人もいるでしょう。しかし、手袋は熱気をこもらせる要因になり得るため、あまりオススメできません。 「手の平を冷やす」ことは、熱中症にならないようにするために有効です。
どうしても付けたい場合は、「通気性重視のアームカバー」を利用しましょう。
どうしてもオススメできないものとしては、本革or合皮or金属の鎧です。ポイントガードとして着ける分には良いと思いますが、構造そのものが熱を帯びやすく、湿気が滞留しやすく、熱中症の引き金になりやすいことをまず、ご理解ください。
さらなる熱中症対策を
クーラーのある部屋にそのまま行けるなら行って体を冷やしましょう。
それが出来ないならば、以下リンク先のような対応が必要です。
環境省 熱中症予防サイト
https://www.wbgt.env.go.jp/heatillness.php
「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_coronanettyuu.html
特に、コロナ対策のためのマスクが熱中症対策のポイントになります。可能な限り外すことは避けたいけれど、リスク判断によっては外して体を安全な状態まで戻す必要もあることをご理解ください。(『「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(1) マスクの着用について』より)
暑い中でもLARPをすることになった際に、私の実体験としては、以下をオススメします。
・手の平を20度前後の流水で冷やす。(あまり冷たすぎるのもよくありません)
・水に濡らすと冷たくなるタオルを首にかける
・塩タブレットや塩飴を口に含む。
・水分は、一度に一口分を口に含む程度に“こまめに”摂る。
衣装に響くことが少ないことが決め手です。しかしこれらに頼りすぎず、状況によっては別の判断をしていくことも大切な要素です。
体調に気をつけて楽しいLARPを
年々暑くなっていく上に、コロナ禍でクーラーの効いた密閉された空間を作りづらい状況となっています。今後は、様々な取り組みが功を奏する事で、これらが緩和することを切に願いますが、夏の屋外で過ごす状況が有る方に、お役に立つことがあればと筆をとりました。
どんなことでも無理は禁物です。その日を1日楽しく過ごすために、自分の体を大切にしてLARPを楽しみましょう!