『EPIC OF PLEIADES(エピック・オブ・プレアデス)』(以後EoP)では、接触を伴わない戦闘行為及び判定群の事を「非接触型戦闘判定システム」『Non contact Combat System』(略称:NCS)と呼称する。
以下に、『EoP』におけるNCS「構え戦闘」のルールを記載する。
※本ルールを使用する場合、無断での商用利用を固く禁じます。
NCS 構え戦闘ルール
NCSによる戦闘
NCSでは、全ての行為判定の成否に接触を用いない事を前提とする。そのため武器を用いた攻撃の成否判定、魔術などの成否判定においても、接触を要さない判定方法を用いる。
EoPでは、NCSの一つとして考案した以下の「構え戦闘」を用いて戦闘の判定を行う。
「構え戦闘」における参加人数の制限
構え戦闘では、戦闘への参加者を最低2名〜最大16名までの人数で行われることを想定してルールを作成している。推奨人数は10名程度だ。
勝敗の決め方
「構え戦闘」においては、「構え」を用いて成否を判定するが、概念としては足ジャンケンだ。
足の開き方によって勝敗を決めるため、上半身はどのようにポーズを決めていても良い。
- 左右の足を横に大きく肩幅以上に開いて構える=パー
- 左右の足を前後に大きく開いて構える=チョキ
- 左右の足をあまり開かずに構える=グー
身体等の事情によって構えを用いる事ができない場合は以下のように代替する。
- 上半身の構え※による表現(上段=グー、中段=チョキ、下段=パー)
- 手による表現(グー、チョキ、パー)
- 色による表現(赤=グー、黒=チョキ、白=パー)
※その色の物品を掲げる、指し示すなど
※色覚を判別しづらい方が居た場合、その方の個性に配慮した色を使用すること
※上半身の構えの基準についての補足事項
- 上段は、頭付近に拳があること
- 中段は、心臓付近に拳があること
- 下段は、腹付近に拳があること
※本ルールは、若年者、体力に自信が無い方、下半身が不自由な方、上肢が不自由な方でもLARPの戦闘処理を行えるようにとの筆者の願いから定めている。
身体的なハンディキャップに対し、本ルールが有用であることを願っている。
勝敗の結果
◆近接武器の場合
- 勝ち=2ヒットを与える。
対象にHPが残っていない時、四肢と胴体のいずれかを指定してヒットを与える。 - あいこ=攻撃側と防御側双方に1ヒットを与える。
盾を装備しているキャラクターはヒットを受けない。HPが残っていない時、四肢のいずれかを指定してヒットを与える。 - 負け=攻撃は回避される。
◆投射武器の場合
- 勝ち=1ヒットを与える。対象にHPが残っていない時、四肢と胴体のいずれかを指定してヒットを与える。
- あいこ=1ヒットを与える。盾を装備しているキャラクターはヒットを受けない。HPが残っていない時は、防御側がどこの部位にヒットしたかを決めて良い。
- 負け=攻撃は回避される。
※投射武器の扱いについて
投射武器を使用した場合、GMに投射武器は手渡され、対象となったキャラクターの足元に落ちる。
◆魔法の場合
- 勝ち=魔法に定められた効果を与える。ヒットが与えられる場合、対象にHPが残っていない時、四肢と胴体のいずれかを指定してヒットを与える。効果が部位に及ぶ場合、術者が効果部位を指定する。
- あいこ=魔法に定められた効果を与える。盾を装備しているキャラクターは、その効果を盾を装備している腕に受ける。ヒットが与えられる場合、HPが残っていない時は、防御側がどこにヒットしたかを決めて良い。
- 負け=魔法は回避される。
手番の判定処理
プレイヤーの手番では、次のように判定の処理を行う
行為の宣言:手番プレイヤーは、行為の内容とその対象を指定する。
※勝敗を定める処理が発生する場合、GMは、次のコマンドを順番に発し、攻撃側と防御側はコマンドに従って行動する。
- ポーズ:攻撃側と防御側が、目を閉じて互いに構える。
- チェック:互いの構えを確認し勝敗を把握する。
- アクション:その場で、演技を行って判定結果を演出する。
※なお、安全性や会場の性質への配慮を理由に、GMはこのアクションを省略してもよい。
◆判定手順
手番プレイヤーが、行為の宣言:敵ゴブリンAに剣で攻撃 をする。
↓
ポーズのコマンドに従い、手番プレイヤーと敵ゴブリンAは目をつぶり構える。手番プレイヤーはパー、敵ゴブリンはグー。
↓
チェックのコマンドに従い、手番プレイヤーは勝ちであることを把握。
↓
アクションのコマンドに従い、手番プレイヤーは武器を振るって攻撃の様子を演技し、ゴブリンのNPCは剣による斬撃を受けて倒れる演技を行う。
◆戦闘距離の概念
- 前衛と後衛のグループに大別する。
- 近接武器などは、同じ前衛に対してだけ攻撃など影響を及ぼす事が可能だ。
- 投射型の武器・魔法などは、前衛・後衛の別なく攻撃が可能だ。
- 射程が視界の魔法などは、敵前衛までの距離に効果を与えることができる。
- 射程が近接の魔法は、後衛を対象に効果を与えることができる。
◆前衛のルール
- 近接武器による攻撃は、前衛でなくては行えない。
◆後衛のルール
- 武闘魔法以外の魔法スキルの行使は、後衛でなければ行えない。
◆前衛と後衛への移動
- 手番の時に、前衛や後衛への移動が可能。
- 前衛が一人もいなくなった場合、後衛のキャラクターは自動的に前衛に配置される。
戦闘処理について
◆戦闘開始の処理のルール
敵対する陣営同士が、戦闘を開始しようとする、もしくは戦闘としての処理が必要であるとGMが判断したなら、『戦闘開始』とGMから宣言し、戦闘の場面として相応しい安全な空間を確保する。
◆隊列順処理のルール
各陣営は、前衛と後衛からなる隊列を編成し、隊列を組んだ順番に従って、敵味方が交互に戦闘処理を行う。
不意打ちが行える状況であったなら、不意打ちをした側が全て一回行動した後に、通常の処理を開始する。
◆先攻・後攻の順序の決定
- 戦闘処理の順序を定める際、前衛に配置されたキャラクターの数を基準とする。基本的に多く前衛に配置する事ができた陣営のキャラクターから行動することができる。
- もし、前衛に配置された人数が同数であった場合はGMが順序を定める。(基本的には、PCと敵対する側からの戦闘処理とするが、シチュエーション的な都合がある場合、PC側からとした方が良い。)
※先攻をとったからといって、先攻側のキャラクターが全員行動出来るわけではない点に注意。行動順序は、各陣営に交互に訪れる。
◆戦闘順トークンの配布
- GMは1〜13ぐらいまでの番号が振られた、黒や赤などの色違いのカードやトークンを用意しておく。
- 隊列が組まれたなら先攻の順序を得た陣営の最も左に位置する前衛のキャラクターに1を渡し、次に後攻の陣営の最も右に位置する前衛に、同じ色の2を渡す。
- これらを繰り返して前衛のキャラクターに番号が行き渡ったならば、同様の手順で後衛にも色違いのカードやトークンを渡していく。
◆ターン開始:戦闘順に基づいた手番の処理
- プレイヤーはGMの指示に基づきトークンに記された数字の順番に手番を得て行動する。
- 手番は大まかに、簡易行動と主行動に分かれており、手番の中であれば好きな順番で簡易行動と主行動を行う。プレイヤーは手番が終わったら、手番の終了をGMに伝え、GMは次の手番のプレイヤーを指定する。
□簡易行動
- 後衛から前衛への移動、武器の構え、崩れた体勢の立て直し
- 他GMが適当と認めた行動、スキルの行使
□主行動
- 前衛から後衛への移動、武器による攻撃、魔法の行使、落ちている武器を拾う
- 他GMが適当と認めた行動、スキルの行使
◆移動後の行動制限
- 魔法の行使不可
◆ターン終了:戦闘継続の処理
- 全てのプレイヤーが手番を終えたなら、戦闘による対立が解消されていないかぎり戦闘は継続される。
- 前衛・後衛の移動などに伴う隊列の並びに変更があった場合は、戦闘順トークンの調整を行う。その後に、次のターンを開始する。
◆戦闘終了の処理
- GMの任意のタイミングで(戦闘による対立関係が解消されたなど)戦闘の場面を終了させるか、通常の場面に移行させる。*
◆1ターンの時間
- 1ターンはゲーム時間では10秒以内で行われているものとする。
◆戦闘の進行について
- 戦闘開始の処理
- 隊列編成と先攻・後攻順序の決定
- 戦闘順トークンの配布
- 戦闘順に基づいた手番の処理
簡易行動
主行動 - 戦闘継続の処理
- 戦闘終了の処理
各種、魔法効果に関する補足事項
◆詩篇魔法
※該当呪文無し
◆精霊魔法
- ジャミング:
呪文の詠唱後、待機状態になり同じターン中に呪文の詠唱をしたプレイヤーを対象にする事ができる。ターンを跨いで、妨害をすることは出来ず、ターン終了まで対象を指定出来なかったとき、呪文の効果は終了する。 - ガスト オフ ウィンド:
対象は後衛に強制的に移動し、〔転倒〕を得る。
◆神聖魔法
※該当呪文無し
◆武闘魔法
- シールドブレイク:
あいこだった時、盾にダメージを与えることが出来る。勝ち負けの結果として勝った際は、1ヒットとして扱う。 - ディスアーム:
勝ちの場合、選択した相手の武器を落とさせる。あいこの場合、対象の利き腕ではない側を対象とする(盾は、落とさせることは出来ない)。負けは効果を発揮出来ない。
◆薬草治療
※戦闘中は、使用することがGMが許可しない限り出来ない
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